サンケイ 大峯奥駈 第四回 2008.07.16

みけ・・縁の下の力持ち?単なる被害者?

いつも結構マメに日記を書くニャアが、ここだけは書けないでいた。書く気もしなかったし、時間を置かないと書いてはいけないような気分だったからだ。
でもまあ・・やっと書く気になったので・・頑張ろうかな?

朝・・バスの中で・・恐ろしい事を告げられる・・

「土日で実施しましたが・・パンフレットには8時間と書いてありますが12時間かかりましたから、明日は4時には出ます」

・・・な・・なんですとおぉっ★今・・なんちゅうた???12時間っ★・・そ・・そんなあ・・
私は一昨日、弥山泊〜狼平〜洞川・役場のヌプリツアーに出かけ、昨日は筋肉痛を起こしてたんだぞ・・と・・いうか・・8時間と書いてあったから・・10時間までなら私は大丈夫だと思ったから、ヌプリツアーを一昨日に入れたんだど・・
8時間なら歩く自信はあるが12時間は無理やろ?関節が潰れるで★

・・このとき・・「遅れる人が出たから時間がかかった」と言ってくれていれば・・私はキャンセルすることはなかった。てっきり12時間、たいして休憩無く歩くとばかり思って・・

「よし。今日はもしもリタイアする人が出て、添乗員さんが一緒に下りることがあれば、私もリタアしよう」と決めた。普通に歩いて12時間もかかるなら、私が足を引っ張ったら完全に日没なので、とても楽しみにしていたコースだが、諦めようと思ったのだ。

大峯奥駈の厳しいツアーに参加する方は強者揃いだから、ペーペーの私が気を利かせないと申し訳ないと・・これは当然の気配りだ。自分自身の体を守る事にもなる。が・・

この判断が・・良かったのか?悪かったのか?・・前代未聞の事件勃発!



たくさんの倒木を
越えて行く・・


全く眠れない一夜を過ごし・・(理由はチョット書けない・・下痢じゃないぞ!)・・
気分が悪い・・ますますつのる不安・・
もしもリタイアする人が出て、添乗員さんが一緒に下りることがあれば、私もリタアしようという決心は完全に固まった。本当なら大普賢までは行きたいし、自信はある。そこで、どうしても無理なら・・歯磨き粉のチューブをしぼり出すくらいの勢いで体力を絞り出して・・それでも歩けなくなったら、大普賢からエスケープさせてもらえるという安心感を持てば行けるような気がしていたのだ。

でも・・焼岳にも登った、槍にも登ったというオジサンが・・歩き始めてスグ息が上がった・・早すぎるって・・

迷ったよ・・まだまだ疲れもしないウチからリタイアなんてしたくないし・・でも・・添乗員さんも一緒に戻るという・・山に慣れているツアー客がしんがりを務めるという・・決心していた条件が満たされてしまった・・

「私も下ります」

・・これって・・結構・・勇気が要るんだよね・・自分も悲しいし・・

すると皆さん驚いて下さった。
「あんたは行けるで!まだ疲れてないやんか」・・嬉しかったな〜・・でも・・賭に出るほど自信家ではない私はリタイアを言い張った。

くどいが・・「遅れる人が出たから時間がかかった」・・と分かっていれば決して・・


さあ・・そこからだ・・


バスは大普賢のお膝元、和佐又ヒュッテに・・ここで6時間を過ごさなければならない。万一、リタイアが出れば、ここへ下ってくるため、バスはここで14時まで待機するのだ。添乗員さんは、ここから本隊を追いかける。

「一緒に行きませんか?」
と、誘って下さるが、大普賢まで普通のコースタイムで2時間半かかるところを2時間・・いや・・できればもっと早く着かねばならないだろうから断った。
万が一、合流できなかったら、迷惑をかけたくないがために取った安全策が無駄になってしまう。


さあ・・運転手さんと、そのオジサンと私の三人だけになった。
私は和佐又は4回ほど来ているので(2006年に2回・2007年に2回)徘徊する事に。

最初は一人でブラブラ・・大好きな場所で、しばしまどろみ、これはこれで至福の瞬間や・・と、気分を変え・・もっと歩き回ろうとストックや飲み物を取りにバスへ戻った。

すると・・そのオジサンが・・ついてきた・・和佐又山へ登りたいという。片道30分ほどで着くし、普通の道だから大丈夫だろうと思って案内したが、とにかく息が上がって、ヒイヒイいうので・・後悔した

下ってきてからも時間がありすぎるので・・平坦な所でウロウロ・・
それならオジサンも大丈夫だろうと・・でも・・それでも滑って転びかけたりされるので・・バスへ戻って・・正直に申し上げた・・
「大峯は、あなたには無理です。他の初級の山を選んで下さい。日帰りなら安いから、回数を行くようにして筋力・体力をつけて下さい。次回からも申しこまれているのであればキャンセルして下さい」




















さて・・14:00・・過ぎ・・運転手さん・・

「じゃあ、迎えに行者還トンネルまで行きますよ」

・・さあ・・核心に迫ってきました・・事件勃発まで・・もうすぐです!

え?今までのが事件じゃあないのかって?違いますよ!こんな事はたまにはあるでしょうよ!「前代未聞」とは言わないですよ!

ん?・・ちなみに・・「あっそう」さんは・・これをどう読むんでしょうね・・


和佐又を少し下った所で・・来るときはなかったショベルカーがある・・
左は崖。右はショベルカー・・

運転手さんがハンドルを切る・・あれ?もっと崖の方に寄ってからでないと通れないんじゃないか?・・と・・思ったが、私はなにせ免許を持っていない。相手はプロの運転手だ。


「・・しまった・・」・・と運転手が漏らす・・「動けなくなった」

やっぱり?やっぱりなあ・・無理だと思ったよ。
ん?・・切り返すのかと思ったら・・じっとしている・・じっとしている・・

「(ショベルカーの運転手)早く戻ってこないかな・・」

え?え?なんですとぉっ★

「どうしたんですか?」
「こいつ(ショベルカーの運転手・以降「コイツ」で統一)が、こんな所に置きっぱなしにするから動けんようになった!!戻ってきて動かしてくれんと、こっちも動かれへん!きっと、さっきすれ違った砂利を積んだトラックや!どっかに捨てに行っとるから、戻って来るはずや!待たなしゃーないっ!」

「切り返せないんですか?」・・本当なら・・「おまえが崖を怖がってハンドル切るのが早すぎたんじゃ!!」と言いたいところだ!!崖は工事中で、鉄柱が何本か打ち込まれており、ロープが張られてある。

「ドアを開けてくれたら私が呼びに行きますよ」
「あんた、どこまで行ったか知らんやろ」
「和佐又ヒュッテの方なら知ってるかもしれません。そこにいるかも」
「あかん!何かあったらワシが困る!」
「何も無いですよ。林道を行くだけですから」
「あかん!それだけはあかん!」

「じゃあ、私がなんとか誘導してみますよ」
「・・・・」
「?・・ドアを開けて下さい。やってみます」
「・・・それが・・ドアも開かん・・」

そのバスのドアは、開けるとき、少し外へせり出してから動くようになっていたのだ。

「ロープに張り付いてしもうて・・ドアも開かん・・」
「・・・じゃあ、窓から出ますよ!」
「あかん!こんな高いところから飛び降りてケガでもされたら困る!」
「じゃあ、運転手さんが下りますか?」
「なにいうてんのや!そんな恐ろしい事できん!」
「私は仮にも山を歩き回っているから大丈夫ですよ」

そのバスは、これから後のツアーで使われるようになった小型のものとは違い、車体も高く、二列ずつ並んだ、普通の小型バス。

・・全く・・男が二人もおるのに・・どっちも役にたたんなあ・・

例のオジサンは・・知らん顔して窓の外を見ている・・まあ・・分かってもどうすることもできないだろうな・・

「じゃあ、このまま待つんですか?戻ってくるかどうかも分からないのに?」
「・・・動かしてみようか・・でも・・あかん・・車体が完全に凹んでしまう・・ああ・・来なんだらよかった・・凹ましたら大赤字や・・仕事せなんだら良かった・・」

ウジウジすんなっ★男のくせにっ★

「この窓からだと、そこのショベルカーに移れますよ!大丈夫です!とにかくやります!でないと遅れますよ!」
「・・そうですか?・・でも気を付けて下さいよ・・」

こうして私は窓からショベルカーへ・・ショベルカーから地面に・・降り立つ・・
見ると確かに・・ロープはパンパンに張られていて、バスのドアは完全に押されている。

「ロープを外せるか?」
「はい〜?このロープですか?・・・・・ダメですよ!私のチカラじゃあ無理ですよ。男の人でないと」
「外してくれんかったら動けん」

・・・外せばいいんでしょっ★外せばっ★・・

少しずつ・・少しずつ・・上に移動させ・・「取れたっ★」

「杭を抜いてくれ」
「杭を?・・・・・・・これは本当に無理ですよ!ビクともしないっ★」
「抜いてくれんと動けん」
「もうドアは開くでしょ?出てきて下さいよ!」
「・・わしは怖くてよー下りん・・崖から落ちたらどうすんや」
「まだ幅がありますって!」
「わしはダメや!」

・・・・自分はダメだけど、私が落ちるのはいいのね?・・・抜けばいいんでしょ!抜けば・・・・って・・・アスファルトに転落防止のために打ち付けてあるんだぞ・・・(少しずつコネコネして動かしてみる・・そのうち・・)・・・
「抜けたっ★」

「あんたすごいなあ!じゃあ、後のも抜いてくれ」
「後のもですかあっ?」・・抜きますよ・・抜かないと動けないのね・・
自分で抜こうとは思わないんですねっ★

「抜けたっ★」

「よしよし・・じゃ、誘導してくれ」

・・・「して下さい」だろっ★・・・

「オーライ・・オライ・・まだまだ大丈夫ですよ」
「あんたそんなん言うけど、もしそこが崩れたらどうするんや!谷底へ落ちてしまうで!ゆとりを持って誘導してくれや!」

・・・もう放ったらかしにして帰ったろか!?和佐又でタクシー呼んで帰ったろか!?よーもそんなクチきけるな!・・と腹が立つが・・ツアーのみんなの顔が浮かぶので・・逃げるわけにはいかない・・私が逃げたら・・・みんな帰れないかもしれない・・

それにしても・・オジサン、よーもそんなに・・ノンビリできるなあ!




・・・この運転手さん・・・下手なんである・・・サイドブレーキを外すと・・
ガッコン!!!・・・と・・・車体が揺れるのだ・・・
ともすれば・・前にいてタイヤを凝視している私に突撃してきそうである・・


やっとの思いで・・何とか・・抜けた・・やれやれ・・どんなに時間がかかったことか・・間に合うかなあ?

「おお〜!ありがとう!あんた凄いな〜あんたのおかげで抜けたわ!」

・・・礼はええから、ナンボか¥出せ!!・・何万も修理代払うとこやったんやぞ!一万出さんかいっ★仕事したんやぞっ★

バスに乗ろうとすると・・・
「あんた、杭とロープを元に戻しといてや」
「それくらい自分でして下さいよっ★」
「わしはもうヘトヘトや・・」

・・・くそったれ!!おいこらっ★オッサンっ★下りてこんかいっ★何涼しい顔してんねんっ★

・・・なんていうてるほうが時間がかかりそうや・・ウチが直した方が早い・・
全くもう・・役立たずの男共めっ★

杭を差し込み・・ロープ・・ロープ・・これ・・どうやって外したんやろ?
入らへんやん!・・努力はしたが、どうやっても元には戻らないので・・少々いい加減に・・形だけは戻せたが・・ごめんね・・




・・もう大丈夫だ・・間に合うか合わないかは別として・・


・・ホっとして、のんびり乗っていると・・また・・止まる・・?・・・

「あかん・・通られヘン・・こんな狭い道・・よう通らん・・」

でも、他のツアーで私は通ったことがあるけど、大丈夫でしたよ」
「あんた、そのバスの大きさを知ってるんか?高さを知ってるんか?」

・・高さは関係ないやろ?・・

「高さとか幅とか知らないけど、とにかくここはツアーが多いから通りますよ!」

運転手さん、考え込んで動かなくなった・・


・・・動かない・・・静止画面だ・・・


・・まだ・・山の下の方だぞ・・これ・・私が上まで迎えに行くんか?

でも・・時間が・・こんな所から歩いたら真夜中になってまうわ・・

・・・しゃ〜ない・・もしも車が下りてきたらヒッチハイクしよう・・
みんなが下りてくるところまで送ってもらおう・・とにかく伝えに行かねばっ★そして、そのまま下まで添乗員さんが載せてってもらって新たに車を手配すればいい!
今日は平日やけど、もしかしたら登山してる人がおるかもしれん。おったら、ちょうど下山時間や・・・チャンスは一回あるかないかや・・腹を決めた・・


「でも行かな・・待たせるしなあ・・」

・・・いや・・・待たせるじゃなくて帰れないだろっ★・・・

「わしが行かんと皆、帰られへんしなあ・・(やっと分かったんか)・・・たぶん・・通れるんやろ・・通れるところまで行ってみよう・・」

運転手さん、意を決したようだ。・・・ふぅぅぅ・・・
15:11 ・・・尽きました・・・精魂尽きました・・・そして・・・着きました・・・

よかった・・まだみんな下りてきていない・・下りてきてバスがなければ不安になるだろうから間に合って本当に良かった・・私の頑張りは報われたなあ・・
15分ほど経つと・・

「お帰りなさ〜〜い!」

皆さん下ってきた〜〜♪・・・よかった!よかった!

こうして・・長い・・長い・・長い・・一日は暮れていった・・・
な?・・前代未聞やろ?・・・

おい!こら!日当だせっ★出さんとバス会社へ電話いれるぞっ★


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