ヌプリツアー 果無峠・完全版  2007.01.29.月

前日の日記(法師山)


7:00 道の駅・奥熊野に着く。ここに車を置いてバスで小辺路・果無峠入り口まで移動する。
ここは澤熊ツアーで、何回か来たことがあって、バス停近くのスーパーでは夕方4時くらいから半額セールが始まっている。皆、それを買ってバスの中で食べながら帰路につく。
今日は朝早いので、道の駅すら開いていないから何だか違う場所みたいだ。

「大和八木」行・・7:24に乗る。乗り遅れると9:11だ。20〜25分ほど乗る事になる。

ここから何と680円分乗る事になる・・縦走ってすごいなあ・・680円分乗って、ここまで下りてくるんだからさあ〜大丈夫かなあ?・・と思う一方で、もう止められないほどワクワク!ドキドキ!

これはちょうど通学用にもなっていて、途中から保育所くらいの子供たちが6人ほど乗ってくる。
大騒ぎだ!おばあちゃんが一人、一緒に乗ってくる。交代で付き添っているんだろうか?
子供たちから引っぱりだこだ!「こっち座って〜!」「こっちや!」みたいに大騒ぎ!
田舎の子達は元気だ!イキがいい!前の席に座った子が、後ろにいておばあちゃんと一緒に座れた男の子の頭を「ポカリ!」と叩いている。叩かれた子は、全く気が付かないのか、相変わらずワイワイやっている!ええなあ〜!こうでなくっちゃ!


・・実は私は同級生の男子を結構ポカポカやったほうだ・・叩き返されもしたけど負けずに殴り返したっけ・・今だったら親が乗り込んできて大騒動になるかもしれない。
息子の頃にはもう問題になっていたし、第一、叩き方が違ってきていた。もうすでに陰湿なものになっていた。この日見た、懐かしい「ポカリ!」とは似ても似つかぬ・・そうだなあ・・殴るっていうのかな?・・長年ぶりに見た「ポカリ!」は嬉しかった!まだここに残ってたんだ!

バスは進む・・あ!・・「七色」のバス停だ!・・「ここ!ここに下りてきて、ここにバスが待ってた!」
mityannさんと同じ席に座ってたから、一ヶ月前を懐かしく思い出した。

おおお〜!見た事のある赤い橋と看板だ!え〜?ここで止まらないの〜?止めてよ〜!
7:50 何て言うバス停だっけ?・・(ヌプリさん、これ見たら教えて下さい)で下りて少し広くなった所で身支度を整える。向こうに見える赤い橋を渡って大きな標識の所を山道に入るのだ・・さっき止めて欲しかったのは、その標識の所。
    8:00

「今日は休憩を入れないで4時間の予定です〜」
先月のタイムを思い出して・・
「いや〜そうすると1.5倍の6時間・・いやぁ〜6〜7時間・・7時間はかかるかもしれませんよ〜」
急ぐ気が全くない・・だぁ〜って〜ネコだもん!・・

ん?先月あった「ミツバチのおうち」がない!どっかへ収納されてるのかなあ?
8:02 さっき渡ってきた赤い橋。橋の右手にバス停がある。朝陽が当たって染まっている。
一緒にバスを下りた、おばあさんが迎えの車をさっきの大きな標識の所で待っている。
ほどなくして上の方から車がおりてきた。きっとそうだろうと思い、なんだか顔がほころんでくる。
8:06 おお〜!登山口や〜!
「熊野参詣道・小辺路(果無峠・登山口)」と書かれた標識の所で遊んでいたら、ヌプリさんが少し上った所で朝陽に輝きながら待ちくたびれてた。
だいたいこれくらいの坂が延々3〜4時間続くことになる。先月の澤熊ツアーでは日没時間との競争だったから3時間で登った。実際、この日は3.5時間で峠まで登ったが、随分ラクだった。日没の心配がないのと一度歩いたという経験と30分の違いは大きかった。
8:43


先月「南天街道」と勝手に命名した道を通り、果無の集落へ!
入り口の家の庭先には、相変わらず湧き水が勢いよく溢れ出ていたので、持っていたペットボトルを入れ替える。するとその家のご主人が出て来られた。挨拶をして話していると、庭先に、こんな物があるのを見つけた。

「わ〜ウスみたい!うちの田舎は石やった」
「ウスや〜今から餅つくんや〜」
「え〜!?餅〜!?」・・一斉に目が輝き出す!」
「ついて行くか〜?」・・メッチャクチャ!つきたいっ!十何年ぶりに「きなどり」したいっ!
軍団の目はキラキラ輝いているが、ヌプリさんは不安そう・・あ!そうだ!今日は登山なんだ!
「そうさせて頂きたいのはやまやまですけど・・そうなると登れなくなるので・・」

後ろ髪をキツ〜ク引っ張られながら歩き出す。壁に掛けてある編み笠と干し・・何だろう?・・
もりりんが一番興味を示していると・・
「干し芋や〜旨いで〜一つずつ持っていき〜ホンマは炙って食べたら旨いんや〜」
と、ちぎって渡してくれた。
固い〜〜〜〜!〜〜〜ご主人も、ちぎるとき「固いな〜」とチカラ一杯こねくり回していた・・
ホンマに固いっ!でもでもでも!メチャンコ味が濃い!旨ぁ〜〜〜い!


こうして、またまた素晴らしい想い出を拾った!これだからやめられない!
8:48 
う〜ん!ここはまた新緑の頃に眺めたいなあ・・さっきのオジサンの家は向こうに見える集落。今、写真を写しているここにも集落がある。水も吹き出ているし簡易トイレもある。ここを出ると少し上にまたチョットだけ家があるが、それから先は山道のみ。
8:53 小さく見える標識。この果無峠越えは道が一本なので迷うような事はないが、やはり標識を見ると嬉しい。身支度を整えてから出発!
mityannさんは朝何も食べないできたので(私は持っていたペチャンコの小さなクリームパンを一人で食ってた)ここで宿の女将さんからもらったお弁当を開けて、おむすびをひとつ食べたそうだ。3つ入ってると聞き、次の休憩で食べようとワクワクする。

出発してから、普通に上から下りてくるおばあさんに出会った。小さな花の束を幾つかまとめて抱えている。上の家にでも行って戻ってきたのか、それとも上の家から下りてきたのか・・ここは生活道路なんだと今更思う。
8:56 小さいので見えにくいと思うけど・・さっき渡った赤い橋が小さく見える!あんな所から来たんだあ!私達ってスゴ〜イ!と叫ぶ!・・一時間でここまで来れるんだあ!感動!・・
9:44 天水田跡。先月も書いたけど、ここは土地がない果無の集落の方が何とか米を作ろうと、下に粘土質の土を敷き詰め、その上に普通の土を盛り、空から降ってくる雨だけを頼りに水田を作った後なのだ。雨が少なければ米はとれない・・すべて天に任せての稲作だった。

ここがまた・・陽は燦々と降り注ぎ、風もなく、ポカポカ陽気の素晴らしい昼寝場所だ!ネコには、たまらない場所で「極楽」とも言う。ヌプリさんが止める間もなく・・座り込んで・・弁当を広げる!すでに目が細くなってて半分昼寝状態・・
「・・まあ〜気持ちいいし〜じゃあここで〜」と覚悟を決めたヌプリさん。
9:56 腹ごしらえが半分すんでスタートしたら、とぉ〜ってもステキな「トトロ道」が!朝陽に輝いてあんまり美しいので・・撮影タイム・・これ、それでも画面一杯にしたら結構エエねんで〜・・ほんまやで〜
10:43 待ってましたぁ〜!「山口茶屋跡」。スリスリしたかった木々が!わあ〜い!これや〜!これや〜!来たでぇ〜!ウチやで〜!会いたかったよぉ〜!
ここより少し上に水場があるので・・小屋住まいしてみたい〜!いにしえの人々が、ここで、こんな山の中で過ごしたんだ、賑わったんだ、というロマン!ええなあ〜・・
   

10:40 観音堂着!
水も凍結せずジャンジャン出ている。先月の方が凍り方が激しかった。
ここには簡易トイレもあり、ちょっとした広い場所だ。もうひとつお堂を建てて魔神を座らせると面白そうだ・・
ここで私の携帯が鳴る!わぁ〜お!電波が入るんだあ!ドコモ凄い!息子からだった。
「かあちゃん、歯医者の診察券どこや〜?」・・しまった!どっかへほぉってもうた!・・
「行きゃぁまたくれるわ〜」
「給料前で金がないんや〜」
「とうちゃんに借りぃや〜明日給料日やろ〜化してくれるって〜」
なんて話しただけで昨夜宿で満タンにした充電が・・なくなりかけてる!・・切っといたろ!・・

11:03
スタートするとスグに雪が!こちらは山の北側なので凍ってる!雪じゃあなくて氷だ!

・・大柄で重量計の我々三人組みは結構滑る!第一慣れてないしね〜・・あらららら・・どうしようもないのね〜・・ストックの先を出して氷に突き刺しながら進む。小柄で軽量級のmityannは技術もあるのでスタタタタ・・とヌプリさんについて行く。すげえ!
(凍ってる所の写真はなぁ〜い!もりりんに期待?)
11:06 スグに展望の良い場所に!大峯の山々が白く見える!興奮!興奮!
今日は観音峰からの稲村ケ岳はどんなんだろう?今年も白い時期に行かなきゃあ!
「待っててやぁ〜!」
11:35 果無峠到着〜!1114m。今日の標高差は約1000m。
先月は、まだスタートすらしていなかった時間だ。ここは日帰りはやはりキツイなあ〜。3時間で登ったけど今日は3時間半だ。時間が早いのと二度目なのと、30分の違いはかなり大きい!随分ラクだった!

mityannを写していたら魔神が邪魔して動かなかったので・・今日は快晴!一日中快晴!
「新生・もりりんやで〜!〜生まれ変わったんや〜!」と大はしゃぎ!

さて!さっき腹を半分だけ満たしたので、ここで残りの半分を埋めるべくランチタイム!
お茶は今日は何にしようかな〜生姜湯にしよっと!〜
12:12 下山開始っ!ここからは南側の斜面なので雪はここだけだった。凍ってる場所はなかったのでホっとした。下りに凍ってるなんて怖いからね〜!
すると・・何だか・・もりりんの様子がおかしい・・え?いつもオカシイやないかって?イヤイヤそれはオカシイというより「ヘン」なんだ。今こそオカシイのだ。
お腹を冷やさないように下腹に貼ってあるホカホカ・カイロが・・
下がりすぎて・・痛いようで・・ちゃんと定位置に戻してから出発!

・・この下腹に貼るのは結構イケル!・・普通は腰などに貼るけど、腰辺りはザックを背負うので、もともと暖かい。下腹に貼った方が絶対にイイ!・・と勧めたのだが・・でも・・男性には少々問題があったようだ・・想定外・・〜(^。^;)〜・・あらら・・
13:08 本宮町を見下ろす。先月はとてもゆっくり眺められなかった。すでに夕陽と化している太陽に「もう落ちるぞ〜もう夕暮れだぞ〜スグ暗くなるど〜」と・・せかされていたからなあ〜・・でも〜まあ〜それも今となってはスリルあって面白かったなあ〜
13:40 七色への分岐。ここまで今日は1時間半だけど先月は1時間10分。すごいなあ〜人間、やりゃぁ〜できるもんだなあ〜ふと見ると、七色の分岐、少し七色側に「ここは小辺路ではありません」という立て札がある。こんなのあったっけ?ここはなにも考えずに気持ちよく歩ける道だから、うっかりすると小辺路から外れて七色の集落へ下りてしまうのだ。逆にコースを外れるくらいの気持ちで右へとらないといけない。

さて!さあ〜!ここからは未知の道・・わくわく!どきどき!・・

ここまで、道沿いには西国札所の33観音様が順番に祀られてあったのだが、ここからは何故か山肌の斜面にあったり、見つけにくい。

こんな上やこんな中やここ

注意していたが、見落としてしまっているのでリベンジしなければ・・次回は高野山から熊野まで通して・・?・・果無山脈縦走して・・?・・

13:56
14:02 「←土河屋」と標識にあるので・・気になって気になって・・気になって・・
「行けませんよ〜」とヌプリさん。でも・・この標識・・気になって・・道フェチの私としては・・いずれ解明したいッス!
14:27 「おお〜!着きましたよ〜。ほら!もうそこですよ!」
「・・・ヌプリさん、これは・・すぐそこって言わないと思うんですけど〜?・・」
「すぐですよ!ほら!こうやって手を伸ばせば・・ほらね!届くでしょ?」
「ヌプリさん、そりゃ怪物クンですよ〜!」
「・・おもろいやないか〜ウデあげたな〜!」
14:30 ひとまず果無峠完全版完歩!・・あ!・・ヌプリさん逃げるっ?

西国1番札所の観音様がドコにあるか探したが分からない。なんでやねん〜
後ろ髪をひかれつつ・・車を置いてある道の駅へと向かう。
14:45 
こ〜んなアスファルトも
景色が良いので何のその!
14:51 
ん?何ですか?あの標識は?
「果無山登山口」
え?
これは頂上へ行く登山道ですか?
ヌプリさん、
次回のコースが決まりましたよ!
15:02 道の駅に到着〜!
「あのとんがった下の方からずっと稜線を歩いて来たんですよ〜」

「ええ〜?あんな所から?〜私達ってスゴイねえ!〜」
「今日は15〜6km歩いたと思いますよ〜」

トイレ休憩&荷物をまとめる。温泉グッズも用意しなきゃあ〜!
今回は本当に「新生・もりりん」を信じたくなるような快晴!
果無山のフワフワ絨毯の道が足にも優しく、限界の15kmを越えたとはいえ、膝にも股関節にも全く違和感がない!最高!このまま、もう一泊して明日も山を歩きたいくらいだ!



15:54 滝の湯へ到着〜!
イオウの良い香りが漂っている!昨夜もイオウ&ヌルヌルの湯だったが今度はどうかな〜?

ここは内湯と露天風呂が別々になっているので裸では移動できない。そのまま露天風呂へと向かう。男湯・女湯の入り口から風呂が見えていたので「しょえぇぇ!丸見えか?と思ったら、男性用の方だった。まあ〜それが女性用で見えてたとしても〜入ったな!〜平気で入ったな〜
こんな所を
下りるんだぞ!
これは女湯に
下りる所から

ちょっとだけよ〜!

風呂から見える滝
先客には若くて可愛い女性が一人。大阪から来たって!温泉に入りたくて来たって!
お目当ての湯が休みで、ここへ回ってきたそうだ。これも何かのご縁だ。

お湯は昨日と同じくイオウとヌルヌル!でも昨日の方がイイ湯だったなあ〜。
肩や首のコリを少しほぐして・・帰りたくないけど帰らねば・・
後ろ髪引かれる思いで帰路についた。

ああ〜!今回も素晴らしい登山だったなあ〜!どっちもイイ山だった〜!最高!

前日の日記(法師山)

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