御在所岳  2005.08.20.土

前日:19日(金)

何とまあ今年の天気は・・・毎日が夕立・雷つきの予報・・・。
恐がりの私は、あんなに楽しみにしていた御在所岳なのにキャンセルしたい気分だ。
今、電話しようか?今しようか・・・と思いながら夜になった。

「明日の朝、気が乗らなかったら電話しようかなあ?」
当日キャンセルの電話番号を調べるが・・・ない!な〜い!
いつもの会社とは違うので分かんない!夜は会社も誰もいないんで聞きようもない。

・・・とまあ、こういう風に、情けない状態になってた。まあ、いつもの事だけど・・・


当日:20日(土)

04:50起床。・・・とにかく行くか・・・
行ってみて、今にも降りそうだったり、
すでに雷雲があったら別行動でロープウエイで登るとか・・・
お昼の弁当もあるし、温泉付きだから、それだけ楽しんでもいいや〜。

05:40出発。
06:30梅田着。地下鉄で来たから早く着いた。


・・・集合場所が分からない・・・まあ、いいや〜遅れたら遅れたで〜などと逃げ腰。
ふと・・・あれはどう見ても同じようなツアー客!
くっついて行くと、道を間違えたようで・・・着いたときは5分前。
7:00出発なのでギリギリ間にあった?

でもバスも案内の人も解らない。
どう見ても山登りの人に「どちらまで行かれるんですか?」と尋ねる。
「御在所岳ですよ。まだ添乗員もバスも来ないんです」
へ?

5分過ぎ、10分過ぎて、会社の他の添乗員が
「御在所岳の方、お名前を伺います!」と叫び出す。
添乗員もバスも来ないという。

15分過ぎ、やっとバスが。
いつもなら添乗員が受付順に割り当てた席順を張り出しているが、来ないので勝手に座る。
電話で連絡がとれたようで
「申し訳ありませんが、とりあえず、もうひとつの集合場所:難波まで向かいます」
と、バスの運転手さん。

・・・ますます・・・いやあ〜な・・・気分・・・だって、よくあるじゃなあ〜い・・・
たまたま・・・トラブって引き返した人だけ助かって・・・って・・・
もう帰ろうかな?今日は気が乗らないし〜。
縁起が悪いからってキャンセルすれば、これは全額返ってくるんじゃあないかなあ?
などと思ってみたり、まあいいや〜でも今日は大事を取って登らんとこ〜と思ってみたり〜
まさかバスが落ちて・・・なんて事ないよな〜?と不安になってみたり〜。

7:55。予定より30分遅れてる。どう見ても山男風の人が意を決したように放送する。
「あと5分待っても来なかったら添乗員不在のまま向かいます。
登山には我々山岳会の2人が同行しますので、差し支えありません」


8:01来た!出ようとした、まさにその時!来た!おお〜!怒られとる、怒られとる!
若い男の子だ。大学を出て少しといったところかな?

万々歳で出発かと思いきや・・・ 人数が合わないらしい。
「え?29人もいる!」と来たばかりの添乗員。
1人多いというのだ。名簿で1人1人呼んで確認。名簿には28人らしい。
で!実際は29人!
でも、とりあえず出発!・・・でもさあ・・・なんか・・・怖くならない〜?


添乗員は誤り下手。一度、暗い表情で小さく謝っただけ。
こいつ〜大阪はまだ短いな〜どこの出身やろ?
大阪が長かったら、こんな時は逆に笑いを取るチャンスやから
一気に大爆笑にもっていくのになあ。
吉本新喜劇みて勉強せんとアカンで〜(^。^)
イケメンやのに〜もったいない。関西では笑いを取れんと、モテへんで〜。

案の定オバサン達が
「なんぼか返してくれるんやろ〜なあ?それやったら文句言わへんで〜」
「もうちょっと何か言ぃ〜やあ」と、からかい始めた。
こういう時は「身体で返します」が最高?かな?

山男さんが

「 こういう素人さんのツアーが組まれたのは近年です。
本来、山は信仰の対象として気持ちを引き締めて登ったものです。
山は朝早く登って、できれば午前中に降りてくるというものでした。
え〜今は天気も良いですが、あちらは分かりません。
何しろ最近は雷が多いですし、今日も雷雨の注意が出ています。
よけいに早く登って降りないといけません。
今日はすでに!かなり遅れています!・・・(ここでやっと笑いが起きる)
心して下さい。

今日は昼食時間をまとめて取るわけにはいきませんので、
到着前にバスの中で食べておいて下さい。
その上で途中の小休止で追加しながら歩いて下さい。
山に慣れ健脚の方もおられると思いますが団体行動は守って頂きます」

と、遅れた添乗員にチクっと痛い話を交えての頼もしい話だった。
恐がりの私も一応落ち着いて「頑張ろうかな〜?」と思えるほど。


・・・悲しい事に・・・ガンガンに効いたクーラーで、いつもの通りお腹が・・・
ストッパを飲んで精神的に落ち着こうとするがイマイチなので、寝る事に。
なぜだか私は寝ると、たいがいの症状は治まる・・・また寝れるんだな、これが・・・

途中でやっと人数の問題も解決!
1人、昨日申し込んでの追加、当日料金徴収の人がいて、手書きしてあったようだが、
人数の合計を増やし忘れていたようだ。やっと解決!


10:33 着きました!

ここだけ見ると完全に大丈夫そうでしょ?
でも周りはかなり厚めの雲に覆われています。
どうみても天気がもつのは3時間が限度かな?と思った。
でも900m差でしょ?頂上まで3時間半はかかるよね〜?4時間?かも。
・・・危ないなあ・・・

トイレと準備運動、そして靴ひも点検。
私は今日は登りばかりなので緩めにする。でないと逆に足首が痛くなる。
最初からロープウエイで行くのが1人。蒼滝へ行ってからロープウエイで行くのが3人。
計4人がリタイア。
一瞬ついて行こうかと・・・
添乗員は何だかたくさん荷物を持ってロープウエイで。
私達は、山男さん2人とツアー客25人で頑張る事になった。

11:10

始めのうちは階段状の登りだったが・・・
・・・蒼滝からここまでスゴイ登り。
木の根に足を引っかけ、少しの引っかかりを足場に・・・
足が引っかからないんじゃあないか?と思うほど急。
こんなんが延々続くなら、もっと時間がかかるなあ・・・

比良山系:打見山から堂満岳への縦走みたいだ。

ここでやっと少し落ち着く。バラけているので揃うまで待つ。私はいつも通り真ん中あたり。

11:17
とお〜っても澄んだ水の側で
10分だっけ?5分だっけ?休憩。

最初から私の心配は雷の他に体調。
ここのところ気管が熱を持ったようになって
息を吸っても酸素が吸収できにくいような状態になりやすくなっている。
アレルギー・喘息といった類だと思うが、何しろ呼吸を乱すわけにはいかない。
精神的にも落ち着いていないと、それが出てしまう。
登りばかりだと、どうしても出やすくなるので、ゆっくり一歩一歩踏みしめないとダメなのだ。

ここ御在所岳は登りばかりとはいえ、
木の根に足をかけたり幹を掴んでよじ登ったりなので呼吸を乱すに至らない。
しかも順番待ちなどの場所もあり体調を整えるには最適だった。























11:45

藤内小屋到着〜!
標高665m。ここで15分休憩


11:56
見上げると頂上には・・・怖い〜!・・・暗雲が立ちこめている〜!
気がせくが休憩は確実にとらないと返って遅くなるって分かっていても急ぎたくなる。

12:00出発。
私と一緒のベンチでお弁当を食べていた家族は
(夫婦と20代後半くらいの息子さん)のんびりしていたので慌てていた。
バスの中の説明を聞いていなかったようだった。

そのうち道は、ますます岩場ばかりになってきた。ただ登っていると見失いそう。

このころ、確か下の方で降りていったハズの年配の男性が私達を追い抜いて行った・・・
あのTシャツ。あのショートパンツ・・・間違いない!え〜!?こんな天候で往復〜?
ゲゲゲゲゲ〜〜〜!

途中で私の前を行くおじいさんが遅れている事に気がつく。
さっきの!家族で来ている方だ!
夢中で岩場を登っているので気がつかなかったが前から離れている。
「離れないように〜!頑張れ!」と先導の山男さんが上から励ます。


申し訳ないが次の小休止で先に行く。

この辺りから私は頭の中で呪文を唱えながら黙々と登っていた。
「山の神様。御在所岳の神様。あなたを慕って来た者達に力をお与え下さい!
天気の神様。せめて私達がロープウエイ乗り場に着くまで、何とか今を保って下さい!
雷様。私達が下界に降りるまで、どうか待って下さい!・・・」


もう、そういう気分。それに私でなくても誰かに何かあったら困るし〜。

あ!母からヘビが出てこない呪文を教えてもらってきた。
「あびらうんけんそわか」だって。























12:52
 最後尾を待つため小休止。

雨が降り始めるが木々が生い茂り、そんなに感じない。
しかあ〜し!遠くで雷が聞こえるゲゲっ!


最後尾を待つ間に、いつも遅れるおじいさんと・・・
後ろの方にいたおばあさんを一番前に来させた。

僅かな休憩のあと、出発したものの、2人は、やはり遅れる。
特におばあさんが息も絶え絶え。可愛そうに・・・

途中で先導の山男さんが、無理と判断。
無線で最後尾の山男さんに「2人を置いていきますからお願いします」と連絡。

「更に急になります」
と言われたが、あんまり変わらない道?を急ぎたくなる気持ちを抑えながら進む。

この頃だったかな?さっき私達を追い抜いて行った方は、あっという間に降りてきた。
誰かが「え〜?2回目ですか?」と聞くと「3往復目です」と・・・
・・・超人・・・
この悪天候の中・・・標高差900mと書かれている山を・・・雷まで鳴っているのに・・・



何だか放送が聞こえるようになった。頂上は近い!
でもこの時、雷が近いんだろうと思った。
何を放送しているか分からないが注意を呼びかけていると思った。
あとで添乗員さんから
「雷が鳴り始めたので、ロープウエイを運休するかもしれない」
という放送だったと聞き「やっぱり〜!」






14:10

他の写真

13:49やっとロープウエイ付近に到着
頂上まではあと往復40分とか。

私がいつのまにか先頭になっていた
「私はロープウエイ乗り場で待ちます」
「え〜?もうじき頂上やのに〜?」
体力が余っていたのが分かるらしく頑張ろうと言って下さるが
「行ける事は行けるけど、怖いから、また今度にします〜」
第一、気がせくだけでも炎症が起きる今は大事をとらないと〜。


先導の山男さんは、
「ここで待っていて下さい。遅れている方を迎えに行きます」と指示。
でも雨はひどくなるので騒ぐと
「じゃあ、一応ロープウエイ乗り場まで行きます。
頂上まで行きたい人はボクが一緒に行きますから、とりあえず乗り場に行きましょう」

乗り場に駆け込むや否や、待っていたようにザザザザザー!!!と降り始めた。

迎えに行かなくても、遅れていた3人(1人増えた)が駆け込んでくる。

遠くで雷は聞こえるし、頂上へは中止。
ロープウエイが止まるまでに降りる事に。

結局は雷も大した事はなかったようで、さすが山男さん、分かってたんだ、と思う。
しかしそれは後で分かることなので、全員もう大満足・満場一致で降りてきた。

御在所岳は歩き慣れていないと、とても無理な山だが、
テンポが変わるので調子をとりやすい山だと思った。

ロープウエイで一緒のゴンドラに乗ったベテランの方が
「中道は、とても楽しいですよ。
見晴らしもいいし、道の脇には奇岩が多くて本当に楽しいですよ」と言う。

私が「でも、かなりの岩場で大変なんでしょう?」と言う。
私くらいの年齢のご夫婦も一緒で、そのご主人は、すかさず

「裏道でも、もう2度と来たくないっていうくらいシンドイのに〜」と、お手上げ。

天気の良い日なら、もっとラクだと思うけどなあ。
下りにロープウエイさえ使えば。

そう!今日助かったのは「下らない」って事。
いつも下りを考えて「滑ってうっかり肩が外れたら・・」などと緊張するのだが
今日はロープウエイで降りるので先の事を考えなくていい。
登りさえすればいいのだから、精神的にも、とっても楽だ。

今度は天気の良い日に来たいものだ。
でも一人で来るには、もう少し周りを観察して覚えておかないと不安なので、
また何度かツアーを利用しようと思ってる。

冬には、また樹氷を見に来たいし!
とても楽しみな山だ。


・・・こうして感動の一日は過ぎた・・・








追伸


真ん中あたりから、いつのまにか前から3人程の位置になった頃、
最後尾待ちの小休止の時に山男さんが雷の時の注意を教えてくれた。

「近くに落ち始めたら、絶対に動いちゃいけません。
動くと、そこに電圧が生じるから、そこ目掛けて落ちるんです。
近くにある木などに落ちて雷が伝わって亡くなった方などは、
驚いて動くから、せっかく地面に流れた電流が返ってくるんですよ〜。
どんなに怖くてもビックリしても、絶対に動かないようにすれば大丈夫です」


・・・・・できるかなあ?・・・私なら、飛び上がってしまうと思う・・・

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